2012年4月12日木曜日

「敵を知り己を知れば」について:その2

さて古人は偉かったシリーズ第2弾「敵を知り己を知れば」のその2です。


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その1では敵を調べるパートを扱いました。
転じて今日は「己を知れば」のパートです。

といっても,敵の内実を探るのとは違い
自軍がどんなものかを調べる際には技術は必要ありません。単純な情報収集です。
どうすれば調べることができるかよりも何を調べるかの方が肝要です。

そういうわけで以下では
そうした情報としてはどんなものを把握しておくべきなのか
そして楽に知るにはどうすればいいか
ということについての雑感を記していきます。

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・攻撃/防御力

第1に重要なのは,
ずばり現状の部隊にどの程度の総攻・総防が期待でき
さらには自分の持ち札や手の届く札の組合せの中で
総攻・総防が高まる最適な組合せは何かというものでしょう。
換言すれば,自軍が出せる攻撃力や防御力です。

理想は,一つ一つの部隊や武将・スキルの組合せについて
ポチポチと数字をExcelに打ち込んだり,ネット上にあるシミュを使って
逐一比較してあれこれ考えたり,現状を把握しておくということです。

でも実際には,1軍や思い入れのある部隊はともかく
2軍,3軍,4軍と進むにつれ,組める武将が一定しなかったり
状況に応じて即座に判断しないといけない場合も出てきます。

そんなときに適切な武将の組合せとその際の自軍の大体の能力
簡単に把握するにはどうすれば良いものでしょうか。

*
まず,今更確認することでもありませんが,ixaでは動員兵数が基本です。
やたらと将攻が高い剣豪はさておき,一般の武将の強さは指揮兵数によって
大きく規定されているわけです。

この点で,攻撃では武将のコストあたりではなく合計の兵数が重要であるのに対して
防御では武将のコストあたりの兵数が重要であるという形で違いはあるものの,
それも結局のところ動員兵数の最大化という目的の達成方法が
攻撃時と防御時で違うだけのことです。


さて,実際の攻撃力や防御力は
この兵数に1兵士当りの攻/防をかけて
さらに武将の兵科適性で補正するわけですが

そんなことを一々している暇がない
というかそもそも面倒くさい

という大多数に当てはまるような場合のために
普段から基本の単位を兵数にして考える癖をつけておくと楽です。
つまり,1兵士あたりの攻/防をかける過程を省略して
統率2500の適性ABだから実指揮兵数は2560人くらいだな,といった具合です。


これは,そもそも兵科の選択は
単独での絶対的な総攻や総防の上昇を目的とするより
相手の陣営を予測した上で行うものなので
武将選択に先決すべき事項であることが多いからです。

異種兵科同士で単純な攻防の数値を比較して
どちらが上かを考える場面は実際あまりありません。
(ないとはいえませんが。これについては次のスキルのところで言及)

*
と,いうわけで兵数を基本にしましょうというお話でしたが
ixaでそれと対となる重要な事項はスキルです。

実際に部隊構成を行う上で迷いが生じるのは
指揮兵数が多い武将Aと,初期スキルが場面適合的な武将B
のどちらを使うかということでしょう。

こうした場合に,スキルの効用をどう考えるかで一般に用いられるのは
期待値という概念です。

これは「(兵法込みの)発動率×効果」の数値で
(実存しないが)恒常的に生じているスキルの効用を把捉しようという発想であり
単純ですが他にスキルを一律に評価する基準が中々ないため広く普及しています。

よってここでもこの期待値を中心に話を進めますが
上で見た兵数とスキルとの関係を簡単にまとめると
結局,スキルの期待値で増加する兵数が多いか少ないか
というだけの話に過ぎません。


例えば,ここにコストが同じ2人の架空の武将がいるとして

A:実指揮兵数2600。付いているスキルは攻撃スキル
B:実指揮兵数2400。付いているスキルが槍衾LV5

という状態としましょう。
どちらを残り1人の枠の槍防衛部隊に入れるかは,兵数200をとるか,槍衾LV5をとるかです。
といってもこれまでの話から分かるように,ここだけ見ていても一義的に答えは出ず
部隊に入っている他の3人を見ないと話は始まりません。

よってここでは仮定として,

・AでもBでも兵法で加算される発動率は8%(軍師600+400×3)
・他の3人は槍防スキル完備で総期待値は30%(判り易くするため少し高め)
・3人の合計兵数は7600(同上)

としましょう。このときAとBの能力差はどのように把握されるでしょうか。

まずAの優位性は,期待値30%を兵数差200にかけて出た60+200=260人 であるのに対し
Bの優位性は,部隊計10000人に槍衾LV5の期待値約3.8%をかけて出た380人です。

結果的に,槍衾LV5しかないBの方が多くの兵を齎す(と期待される)というわけですね。
(もっとも,あくまで380は期待されるだけですので,確実な200をとるという思考もありです)

*
具体例が長くなったのでまとめますと,
ある武将達の能力を簡単に比較するには

部隊全体のスキル期待値×兵数差
部隊全体の兵数×当該武将のスキル期待値(の差)

を考えるということです。

これは何も厳密である必要はなく
LV5での一般的なスキル期待値は1つ2.5%,挟撃守護はコスト%,円陣剛撃が4%
という程度のアバウトな計算でも十分だと思います。


<付記>
以上のことは換言すれば,部隊を単一兵科で揃えておけば
たった一つの上スキル(突撃や布陣)でも,200くらいの兵数UP効果が期待されるということです。
なるべく部隊の兵科は統一すべきということはこういうところから導かれるわけですね。

さらに,従来は敬遠されがちであったランクUP
自動的に5乃至2.5%の兵数UP,そして兵法振による期待値向上という事実からいえば
実際はかなり有効であるということも付記したいと思います。


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・速度

さて,攻撃力と防御力に次いで重要なのは速度です。
ixaでは速度を制するものが合戦を制する…とまでいえるかはともかく
非常に重要なファクターであることは間違いありません。

で,この速度ですが,ここでは全く異なる二つの速度を頭に入れておくことをお勧めします。
進軍速度編成速度です。

第1の進軍速度については,もはや多言を要しないと思います。
相手の拠点を急襲する場合のみならず,カウンター,領地取返し,緊急加勢
などなどあらゆる場面で進軍速度は重要です。

速度と距離1にかかる秒数の関係は周知の通り
3600 ÷( 兵種の移動力 ×(1 + 速度上昇率))= 1マスの移動時間(秒)
ですが,分かりやすく言えば,赤備えを用いる場合

20%UPで1マス2分
60%UPで1マス1分半
140%UPで1マス1分
200%UPで1マス48秒

と覚えておけば良いと思います。


第2に,意外と重要なのが,部隊編成にかかる時間です。

例えば,「敵襲!」という表示を見て残り4分ならどうするか,2分ならどうするか,1分なら…
というように残り時間で防衛可否,その部隊構成を瞬時に判断しなければならない場面が
多いことは経験上多くの人が感じていることと思います。

そのような場合に備えて
自分がどのような構成の部隊なら何秒で配備できるか
そしてそのように素早く対応するためにはカードの掲載順をどのように設定すべきか

ということを普段から考えておくと,中途半端に防衛して無駄に兵を失ったり
あれこれ構成を迷って時間を無駄に使ってしまうということを防ぐことができる
かもしれないですね。

また,その秒数が大体把握できれば
敵が配備にかかる時間もあたりがつけられるようになり
相手の状況を想像しつつ行う急襲を成功させ易くなると思います。

**

以上,とりとめもなく書いてきましたが「己を知れば」のパートでした。

まだまだ気にした方が良い事項もあるような気もしますが(破壊力など)
それはまた別のお話,ということで。


***

2回にわたってお届けした「敵を知り己を知れば」のお話もこれで終わりですが
如何でしたでしょうか。

当たり前のことが多かったようにも思いますが
まさにその当たり前を抑えることが重要なんだよ,
ということが孫子も言いたかったに違いない

ということで内容の平凡さを古人の責に帰したところで稿を閉じようと思います。


6 件のコメント:

  1. こんにちは。

    いつも興味深く拝見しております。
    大学の講義みたいで面白いですね。

    IXA論概説とか、IXA東西戦俯瞰講義とか。

    実際に大学の授業としてやると結構な受講者数集まったり
    するかもねw

    ではまた。

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  2. 神様,ご降臨ありがとうございます。
    ひと様に講釈を垂れるような身ではないのですが
    そこはそれ自分に教えるようなつもりで書いていると
    こんな文体になってしまったという。慣れでしょうか。笑

    その折には是非神様にも講座を持って頂かないと。
    さしずめ 速攻論 とかでしょうか。笑

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  3. なるほどぉ。
    普段全く意識してませんでした。
    特に、防御部隊は完全に適当配備です^^;
    だから弱いのかって実感できました。あざぁす!

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  4. じーくさんいらっしゃいませ
    適当配備でも十分なほどの資産をお持ちということと承りました( ̄一* ̄)

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  5. とても参考になる記事をありがとうございます。
    防御力のところで一つ気になった点があります、
    ランクアップによる回転率の低下です。
    ここらも考慮するとまた違った結果になるのかな?

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  6. カイさんコメント下さり有難うございます。

    釈迦に説法となる感じで恐縮ですが,平凡な私見としては,
    防御の方が攻撃よりも一度の機会が重要で,
    しかも防御の主力は複数枚揃えられることの多い特上なことが多いですので
    in率にもよりますが攻撃に比べると回転率の重要性は低い
    (といっても精々☆2までだと思いますが・・・)と考えています。

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